留学のトラブルを防ぐために 留学事業者との「契約」と「契約解除」についての留意点

留学事業者を通して留学プログラムを申込む際に、
留学希望者にとって2つの「契約」があります。

ここで言う「契約」とは留学希望者と留学事業者、海外教育機関の3者の合意によって成立する法律行為ですから、十分に理解した上で行うべきものです。安易に契約したり解除したりすべきものではありません。

① 留学希望者と留学事業者との契約

② 留学希望者と海外教育機関との契約

また、留学事業者と海外の教育機関との契約もあります。

留学事業者を通して申し込みをする際の2つの「契約」

* 但し、旅行会社が旅行業法に基づき「企画・実施」するパッケージ留学プログラム(往復の航空機、送迎、宿泊、留学等の現地プログラム費用等が包括料金で提示されているプログラム)については、特別な場合を除き「留学希望者」と「旅行事業者」との間の契約になります。

契約の内容

契約には必ず契約書があり、上記の①、②2つの契約・契約書の内容を、契約をする前に、よく理解してから、契約をしましょう。いつの時点で契約成立となるかは事業者によって異なります。これも必ず確認しましょう。

① 留学事業者との契約

留学事業者からの役務提供は通常下記のような内容がほとんどです。

  • 1) 海外教育機関の情報提供
  • 2) 海外教育機関への申込・手続き代行
  • 3) 滞在先等の手配代行
  • 4) 空港出迎えサービスの手配代行
  • 5) 事前オリエンテーション
    (留学に際しての安全管理等)
  • 6) ビザ手続き代行現地サポート
  • 7) 現地サポート

② 海外教育機関との契約

海外教育機関からの役務提供は通常下記のような内容がほとんどです。

  • 1) 教育サービスの提供
  • 2) 滞在先の提供(海外教育機関、及び現地手配会社が手配する場合と日本の留学事業者が手配する場合があります。)
  • 3) 空港出迎えサービスの手配代行(海外教育機関、及び現地手配会社が手配する場合と日本の留学事業者が手配する場合があります。)

特に留意するべきは、①、②共に支払った金額に含まれているもの、含まれていないものを確認することです。

契約の成立と遂行

契約締結した時点で契約の成立となりますので、契約を締結する前には契約内容をよく理解しておきましょう。これによって留学事業者には役務提供の義務、留学希望者には役務提供に対する対価支払の義務が生じます。

契約の解除

問題なく契約が遂行されるのが通常ですが、場合によっては契約の解除があり得ます。
留学関連のトラブルで一番多いのがこの契約の解除に関することです。従って前述の契約内容の理解と契約成立時期は非常に重要です。

留学希望者からの契約解除

1) 渡航前の留学事業者との契約解除

何らかの事情で渡航前に契約解除の可能性はあります。
その場合、留学事業者との契約書の「契約解除条件」に従って、違約金を支払う義務が生じる場合があります。

2) 渡航前の海外教育機関との契約解除

何らかの事情で渡航前に契約解除の可能性はあります。
その場合、海外教育機関との契約書の「契約解除条件」に従って、違約金を支払う義務が生じる場合があります。

渡航前の留学希望者からの契約解除のよくある例
  • 金銭的に無理になった
  • ビザがおりない
  • 病気やけがなどの不可抗力
  • 留学プランの変更(気が変った)
これによって起きるトラブルの例
  • 留学事業者/海外教育機関からの返金額(払戻額)が思ったより少なかった。
3) 渡航後の留学事業者との契約解除

何らかの事情で渡航後に契約解除の可能性はあります。
その場合、留学事業者との契約書の「契約解除条件」に従って、違約金を支払う義務が生じる場合があります。返金不可のケースがあります。

4) 渡航後の海外教育機関との契約解除

何らかの事情で渡航後に契約解除の可能性はあります。
その場合、海外教育機関との契約書の「契約解除条件」に従って、違約金を支払う義務が生じる場合があります。返金不可や部分的返金などケースは様々です。

渡航後の留学者からの契約解除のよくある例
  • 思っていた留学環境とは違う(滞在先、学校等)
  • 留学先になじめない、ホームシックになった
  • 現地で転校等、留学プランの変更を希望
  • 金銭的に無理になった
  • 病気やけがなどの不可抗力
これによって起きるトラブルの例
  • 海外教育機関からの授業料・滞在費の返金額(払戻額)が思ったより少なかった。
  • 留学事業者からの留学中サポート費用の返金額(払戻額)が思ったより少なかった。
  • 思っていた留学事業者からの現地サポートの内容が不満足。

以上、渡航前、渡航後の留学者からの契約解除のよくある例、及びトラブル例を見ると、契約前に契約内容の確認(留学事業者のサポートサービスの範囲)、契約解除条件の確認をきちんとしておけばある程度問題は回避できるはずです。

また、海外教育機関との契約書は英文であることがほとんどですが、留学事業者に尋ねて、授業時間数、滞在条件、契約解除条件等、特に大切な個所は必ず確認、理解するようにしましょう。

留学事業者、海外教育機関からの契約解除

渡航前の留学事業者、海外教育機関からの契約解除

あまり多い件数はありませんが、留学希望者の、虚偽申請(既往歴或いは犯罪歴等)、債務不履行(対価を不払い)等により契約の解除が生じ、その場合、契約書の「契約解除条件」に従って、違約金を支払う義務が生じる場合があります。

渡航後の留学事業者、海外教育機関からの契約解除

あまり多い件数はありませんが、留学者の、授業態度(怠学・欠席)、日常生活態度(周囲への迷惑、法律違反)等により契約の解除が生じ、その場合、契約書の「契約解除条件」に従って、違約金を支払う義務が生じる場合があります。

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